「突然、サービス終了の案内が届いた」
「利用料金が上がるから、他のITシステムを探してほしいと言われた」
そんな状況に直面し、
「でも、リプレイス*ってどう進めればいいの?」
と悩まれている情報システム担当の方も多いのではないでしょうか。
当社もつい最近、社内で使っていたITシステムのリプレイスを経験しました。
今回はその実体験をもとに、リプレイスを成功させるためのコツをまとめました。
*リプレイス(replace):交換する、置換するなどの意味を持つ英単語です。
情報システムの分野では、ITシステムやその構成要素の一部を新しいものに入れ替えることを指します。
参考:IT用語辞典 e-Words「リプレース(リプレイス)とは」
当社が行ったリプレイス事例:
社内SNS「Workplace from Meta」から「TUNAG」へ
当社はこれまで、Meta社が提供する「Workplace from Meta」(以下「Workplace」)を社内SNSとして利用していました。
社員数が増え、拠点も東京・大阪に広がったことで、
拠点を越えたコミュニケーションを活性化させる目的で導入したのがきっかけです。
導入後は、
・会社からのお知らせ配信
・技術的なお悩み相談スレッド
・雑談やおすすめランチの共有
など、社内の情報交換が活発になり、社内コミュニケーションを支える基盤となっていました。
実際の「Workplace」の様子
健康イベントの参加者募集や、アカウントにログインできないときの相談など、気軽な話題から真剣な話題まで、幅広い交流が生まれていました。


しかし、「Workplace」もサービス終了の時を迎えることに。
複数の代替システムを比較検討した結果、当社では株式会社スタメンが提供する「TUNAG(ツナグ)」への移行を決定しました。
リプレイスのコツ①まずは機能の棚卸し
リプレイスの第一歩は、現行システムで使っている機能を正確に洗い出すことです。
当社の場合、「Workplace」では以下のような機能を利用していました。
・チャット機能:個人やチームごとのコミュニケーション
・記事配信:会社からのお知らせや技術相談スレッド
・安否確認:災害時の社員状況の確認
・スマホアプリ:外出先での連絡確認
このように「どんな機能を使っているか」「どんな場面で使っているか」を一覧化することで、
次のシステム選定がスムーズになります。
リプレイスのコツ②他社システムとの比較
次に行ったのは、他社が提供するITシステムの比較検討です。
①で洗い出した機能が、それぞれのシステムでどこまでカバーできるかを一覧化して整理します。
一覧化を進める際は、以下のような方法で情報を集めるのがおすすめです。
・トライアルやデモ環境を実際に試用する
・提供企業に資料を請求し、機能一覧を確認する
・展示会やイベントで担当者に直接話を聞く
こうした情報収集の際は、「機能がある・ない」だけで判断しないことが大切です。
実際の画面レイアウトや操作の流れなど、使用感や運用時の負荷もあわせて確認しましょう。
当社では、調査した結果を以下のような比較表にまとめました。
※2025年8月時点での情報です。

リプレイスのコツ③失われる機能をどう補完するか考える
比較を行うと、どうしても新システムでは満たせない機能が出てきます。
失われる機能については、以下の対応方法があります。
・追加料金を支払い、必要な機能を開発・実装してもらう
・既存の機能や運用ルールを工夫して、代替できないか検討する
コストを抑える観点からも、まずは後者(既存機能での代替)を検討するのがおすすめです。
ここで大切なのは、「なくなる機能」ではなく「目的」に注目することです。
当社の場合、安否確認機能が「TUNAG」にはありませんでした。
しかし、目的は「社員の安否を迅速に確認すること」です。
そこで、掲示板にアンケート投稿を作成し、社員が回答する形式をとることで代替できると判断しました。
このように、機能ではなく「業務の目的」に立ち返って補完策を考えることで、単なるシステム移行ではなく、業務プロセスの最適化につなげることができます。
リプレイスは「BPR(業務改革)」のチャンス
今回は当社の事例をもとに、リプレイスの進め方をご紹介しました。
リプレイスは、「今の仕組みをそのまま移す」ことが目的ではありません。
新しいシステムを通じて、業務そのものをより良くする機会でもあります。
この考え方は、BPR(Business Process Re-engineering:業務改革)と呼ばれます。
BPRとは、業務プロセスの観点から業務フローや組織構造、ITシステムなどを再構築し、業務改革することです*。
*参考:NECソリューションイノベータ「BPRとは?意味などの基礎から事例までわかりやすく解説」
ITシステムのリプレイスは、まさにこのBPRを実践する絶好のタイミングです。
単にシステムを置き換えるだけでなく、そのシステムが支える業務全体を再構築することで、新しいシステムが本当に使えるものになります。
当社では、社内だけでなく顧客企業に対しても、システムのリプレイス支援や業務設計の見直しを通じて、BPRのお手伝いをしています。
「リプレイスの進め方がわからない」
「ITシステムを入れ替えるついでに、業務も見直したい」
そんな方は、ぜひ一度ご相談ください。
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