従来の考え方はもう古い!?これからは「リーダーシップ=影響力」後編

  • 2020.03.27
  • admin

前回はリーダーシップにおける3つの誤解を紹介した上で、
「リーダーシップは誰でも発揮できる」、そして「誰もが発揮することを求められている」ということを確認しました!

今回は後編ということで、「新しいリーダーシップの考え方(アイエスエイプランのリーダーシップの考え方)」を詳しく紹介します!

影響力=リーダーシップとは

みなさんが考えがちなリーダーシップとは、「優れた能力」「優れた行動」「カリスマ性」のことを指していました。しかしこれからは、「職場やチームの目標を達成するために他のメンバーに及ぼす影響力」をリーダーシップと考えます。

例えばこんな経験はありませんか?

①何かグループで話し合いをしている時に、「こんなアイデアはどうかな?」と何気なく意見を発信した。
②精神的に落ち込んでいる友人を気遣って、優しく声を掛けた

このように、何かしらの影響力を発揮すること自体を、リーダーシップの発揮と考えます。
ということで、ここからは2つの例を用いて新しいリーダーシップを学んでいきましょう!

新しいリーダーシップ例① 聖路加国際病院

1995年3月20日に東京で起きた、地下鉄サリン事件。
日本のみならず世界からも大きな注目を浴びた事件となりました。

実はこの事件の時に、新たなリーダーシップが生まれました。

大きな被害が出た場所に近い聖路加国際病院では、全患者の受け入れを決意しました。しかし原因が分からないために、病院はパニック状態に。

医師たちが解毒剤の投与に踏み切れずにいたところ、松本サリン事件の指揮を執っていた信州大学医学部府像病院の院長からサリンに間違いないとの連絡が入りました。

これを聞いた医師たちは、サリン被害を念頭に検討し、解毒剤PAMの投与を決定。投与後すぐに、患者の容体が安定したといいます。

一方、事務も混乱していました。通常の事務手続きでは、次々に来る患者に対応しきれなかったのです。そこで担当者は旧式のシンプルな書類を使用すると決め、時短に貢献しました。

また、患者の居場所を把握するために模造紙に患者の情報を書きだすという取り組みも実施し、より効率的な対応へ切り替えました。

これらの3つの対応は、どれも院長によるトップからの命令ではなく現場の問題に応じて、その都度その場にいる人たちによって決定されたものです。

従来の病院では「上から言われた通りにやる(トップダウン型)」ことが基本でした。ここでは、「必要な時に必要に応じて、1人ひとりが自律的にリーダーシップを発揮する」という新たなリーダーシップの形が生まれた瞬間でした。

新しいリーダーシップ例② オルフェウス室内管弦楽団

オルフェウス室内管弦楽団というオーケストラをご存知でしょうか。
動画を調べてみてもらうと一目瞭然ですが、なんとこのオーケストラには指揮者がいません

基本的にオーケストラは、1人の指揮者が音量やテンポ、曲のニュアンスなどの指示を行って全員を統率しますよね。では、その重要な役割である指揮者がいない中でどのように演奏するのでしょうか?

オルフェウス室内管弦楽団は、リーダーシップ的な役割をメンバーたちが順番に分担しています。その結果、各メンバーがチームの音を聞き合い、主体的に演奏しているのです。

先ほどの聖路加国際病院同様、リーダーシップを固定せず1人ひとりが必要に応じて影響力を発揮しています。

アイエスエイプランのリーダーシップの特徴

2つの例をもとに、新たなリーダーシップの形を紹介しました。
次々と情報が移り変わる現代では、何でもできるような有能なリーダーであっても、そのリーダーだけでは優れた決断ができないのだと認識させられますよね。

このリーダーシップ=影響力という新しい考え方が、アイエスエイプランのリーダーシップの基本となっています。それでは特徴を見てみましょう。

1.全員によるリーダーシップ

何かしらの目的を達成するためには、最も適したリーダーシップ最も適した人が発揮すればよいと考えます。そこには上司・部下といった役職は全く関係ありません。

2.全員によるフォロワーシップ

他のメンバーが受け入れようとしないのにも関わらず、一方的にリーダーシップを発揮することは、「リーダーシップを発揮している」とは言えません。「リーダーシップを発揮しようとしている」だけです。

たとえ上司の立場でも、部下が適切なリーダーシップを発揮していると判断される場合は、上司はフォロワーに徹することが必要となります。

フォロワーシップ:他者が発揮したリーダーシップを受け入れたり、従う行動もしくは役割

3.流動的なリーダーとフォロワー

リーダーとフォロワーの関係では、ある人の持つ情報や能力が役に立つようであれば、その人がリーダーシップを発揮します。その際は、前にリーダーシップを発揮した人は模範的なフォロワーになります。

前述の事例のように、ある時は○○さんがリーダー、ある時は△△さんがリーダーというように、状況によってリーダーシップが移り変わるということですね。

仕事の曖昧さが高い場合、効果的な情報や能力が不明確であるため、試行錯誤を素早く繰り返しながらやり方を決める必要があります。その際、この考え方が有効となります。

これからは影響力=リーダーシップ

状況に応じてリーダーシップは遷移する、そして誰にでも発揮しうるものということが確認できました。 この考え方1つあれば、チームで働く際・コミュニケーションを取る際のあらゆる問題にも立ち向かっていけるのではないかと思います。

この記事を通して、みなさんの考え方に少しでも変化があったら嬉しいです。
それではまた、次の記事でお会いしましょう!