ようこそアイエスエイプランへ「桃太郎から学ぶ働き方の心得」

  • 2023.04.03
  • sakazume

株式会社アイエスエイプラン 執行役員 HRM & Strategy
坂爪 昭

■入社おめでとうございますの挨拶の謎

入社おめでとうございます。
今年度入社の方々は採用倍率120倍の選考を見事にくぐり抜けて合格なされた優秀な方々です。
ここに、先ずは「おめでとう!」の言葉を贈りたいと思います。

と、書いてはみましたけれども、よく考えると一体何が「おめでたい」のでしょうか?

大抵、こういう「おめでたい」ような入社式の際には、成功者の名言集みたいなものから引用をして、お偉い方々からの自己啓発的な生温かいメッセージが送られるのかと思いますが、これってそもそもとして何の意味があるのでしょうか?

■「成功者・桃太郎」の成功要因は偶然!?

社員一人ひとりのビジネス的な成長を望むのが、このアイエスエイプランという会社の風土であり、それが顕著になっているのが会社ロゴにも書かれている「emergence of founder(創業者の出現)」という文言であると思っています。

このようなことを大切にしている会社なので、今日ここで、生まれたばかりのアイエスエイプランの社員から、この先に「emergence of founder」できるようにサポートしていくことが私たち先輩社員たちの役目であると思っています。

そこで、その役割の第一歩として、これからみなさんがどのように行動してほしいかを「成功者・桃太郎」になぞらえて説明したいと思います。

結論から言うと、桃太郎さんが成功した要因はただの「偶然」だったと思います。なので、みなさんが成功する要因も「偶然」だと思います。でも大切なことは、この「偶然」をどうやって発生させるか、そして、どうやって発生した偶然を「つかむ」かだと思っています。

■実際に『桃太郎』から考えてみる

ある日、おばあさんは川へ洗濯に行きました。これはおばあさんの日常の行動だったと思います。しかし、上流から「大きな桃」が流れて来てしまいました。こんな時、あなたならどうするでしょう?

普通なら、とりあえず人が入っているくらい大きな桃が流れて来たら「ヤバそう」なので、とりあえずスルーします。この当然の行為を行わずに、桃太郎のおばあさんはこのヤバそうな巨大桃をわざわざ拾ってお持ち帰りをしてしまいます。

ここで考え直してみると、おばあさんの日常はどのような行動をしていたのでしょうか?

このおばあさんは、きっと日頃から川の上流から流れている「変なもの」を拾って帰るようにしていたのでしょう。時々はおじいさんに「ヤバいもの拾ってこないで!」と、注意をされたりしていたかもしれませんが、巨大桃を拾って帰ってきた際のおじいさんのリアクションも鑑みると、おばあさんのヘンテコな収集癖におじいさんは肯定的だったのかもしれません。おばあさんは日常的に「上流から流れて来るものに良いものがないか?」と考えて、<拾得アタック>をしていないと、いざ巨大な変な桃が流れて来ても拾うことができなかったことでしょう。

つまり、この後に発生する桃から生まれた桃太郎がその後に鬼退治をして、お宝を持ち帰り、成功者になるようなサクセスストリーは、たまたま川で洗濯をしていたおばあさんの偶然なラッキー行動が契機として始まりますが、日頃から<拾得アタック>していたおばあさんにとっては必然的な結果になっていることを悟らなければなりません。

この現象を心理学者のジョン・D・クランボルツさんは「計画的偶発性理論(Planned Happenstance Theory)」と名付け発表しました(※1) 。クランボルツさんは主に人のキャリア形成における計画的偶発性を論じましたが、これは他のことにも流用できると現在では言われています。

※1 Mitchell, K.E., Levin, A., Krumboltz, J.D. (1999), “Planned Happenstance: Constructing Unexpected Career Opportunities”, Journal of Counseling & Development, Vol.77, pp.115-124.

■計画的に偶発させた仕事を仕留めろ!

これらを踏まえて、これからのアイエスエイプランでの社会人生活を考えてみると、先ずは「計画的偶発性理論(Planned Happenstance Theory)」を大切にしてください。どんなに高い能力を持っていても、それを発揮するチャンスが発生しないと、その結果も残せません。また、そのチャンスは向こうからやってくるものではなくて、「計画的に偶発させるもの」であり、また「発生した偶発イベント」を仕留める準備も日頃からしておかないといけません。

この心得をこれから念仏のように唱えていきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いします。