新しい学びを考えよう①「IT業界における最大の秘密を発見しました!?」

  • 2022.07.19
  • sakazume

株式会社アイエスエイプラン 執行役員 HR & Strategy
坂爪 昭

■「要件定義」って、いつに誰ができるようになるもの?

日常の業務の中でさまざまなメンバーとミーティングを行う機会を作っています。
ミーティングの中では、普段の「進捗確認」や、対処が必要なのだけれどもどうやって対応したらよいかを迷う「課題」の解決と整理、他には自分たちには解決は難しいが他のチームや専門家も交えて解決を模索する「タスクフォース」などを行っています。

そのミーティングを実施していく中で、最近気になったこととしては「要件定義がうまくできない!」でした。

確かに「要件定義」というものは一体何なのか?、いつから自分ができるようになったのか?
なんてものは考えてみたことがなく、こういった「自然とできるようになってしまうもの」は逆に教えるのが難しい・・・ということが定説になっていたりします。

そこで、どうやったら「要件定義ができるようになるか?」を改めて考え直してみたところ、これまで聞いたことのなかった仮説により、要件定義を身につける<ある兆し>が生まれました。これはきっと、IT業界における最大の秘密の発見になるのではないかと思っています!?

図1:2022年7月社内定例会 発表資料より

■2つのケースから手に入れるビジネス的な視点

ケーススタディとともに進めていきたいと思います。
以下の2つのスライドのケースを見て何に気づくでしょうか?

図2:2022年7月社内定例会 発表資料より

図3:2022年7月社内定例会 発表資料より

よく意見されるコメントの一例です。

図2 ケース① このシーンを説明してください
 2-1.男性がコーヒーを買おうとしている
 2-2.男性がお金を払い終わった後に万引でないことをアピールしている
 2-3.サラリーマンが仕事の前にコーヒーを購入している

図3 ケース② この2つの差は何でしょうか?
 3-1.左はお金を払い終わった後だけど、右は払う前
 3-2.左は第三者目線だけど、右は顧客の目線
 3-3.左はセブンイレブンだけど、右はローソン

3-3.の視点にはちょっと可能性を感じますね!

答え合わせをします。

この問いに対しての解答の観点を、「ビジネス的であるかどうか」というところに作ってみました。

先ずはケース①についてですが、以下の図4をご覧ください。
登場人物の2人にはよく考えてみると「顧客側」と「企業側」という属性が存在します。
この属性を取得できると、どちら側の視点にて事象が発生しているかを説明することができます。

しかし、実際のところは実体験が多い「顧客側」属性の視点しか取得することができず、「企業側」属性の話をする人はほとんどおらず、いつも「顧客側」からの観点になってしまいます。

図4:2022年7月社内定例会 発表資料より

次にケース②についてですが、
「セブンイレブンとローソンの違い」について気付いたところまでは良かったですね。
実はこの先の「セブンイレブンとローソンの違いはどこにあるのか?」までを考えてみると「ビジネス的な観点」まで届くことができたでしょう。

もちろん「セブンイレブンとローソンとの違い」は「『からあげクン』の有無」に留まることなく、どういう方針でコンビニを出店しているかなどに観点が動いていくと、より2つのコンビニの差異の核心に迫れるのかと思います。

2社の主な経営戦略は図5に記しておきました通りで、特定した地域に経営資源を投入する「ドミナント戦略」と細分化させた顧客層に適切な店舗へ誘導させる「ターゲティング戦略」の差にあったりします。

なんとなく見てきたコンビニ2社も振り返ってみると、「たしかにそういう戦略のもとに立地しているな」なんてことに気付かされるのではないかなと思います。

図5:2022年7月社内定例会 発表資料より

■これらを踏まえて

ここまでの中で、「要件定義」を身につける<ある兆し>を確認できましたでしょうか?

要件定義がうまくいかない人たちは、これまでの自分自身の豊富な経験から、業務に必要な同業他社との企業差異を得ることなく、「顧客側」観点からの実施を考えてしまっているからではないでしょうか?

まだ仮説的な<兆し>ではありますが、この染み付いた「顧客側」観点を克服するために「顧客側観点」から「企業側観点」へ強化する学びを開催したいと思います。

具体的には、経済ニュースを見ながら、みなさんでジャムることにより、テーマ対象の企業を知った企業目線での要件定義ができるようになる契機になるではないかと想定しています。

実施日が決まりましたら、告知を行いたいと思いますのでみなさま奮ってご参加下さい。

図6:2022年7月社内定例会 発表資料より