これからのアイエスエイプランを考える①「組織図を再考する」

  • 2021.09.14
  • sakazume

株式会社アイエスエイプラン 執行役員 HR & Strategy
坂爪 昭

会社にとって一般的な組織図のあり方と刷り込み

「アイエスエイプランという会社の組織図を書いてください」という質問を受けた時にはどのような図が思い浮かびますか?

組織図と言われると Microsoft Office の SmartArt を利用していて見かけるような以下のような「階層図」を思い浮かべる人が多いと思います。

これらの図のように代表となるようなトップがいて、そこからトップの指示を受けてメンバーにタスクを伝える中間管理職のようなミドルマネジメント層がいて、その下にメンバー層がいるような樹形図のように組織を表したものが一般的な組織図だと思っています。

図1.Microsoft PowerPoint for Mac に格納されている SmartArt 「階層図」

自分自身も全くこの限りにて、事実として2018年11月にて行われた東京都中小企業振興公社主催のアイエスエイプランの人材戦略を紹介するセミナー(※1)では、以下のような組織図を書いて説明をしていました。

(※1)第2回人材戦略「事例紹介」セミナー
「社員の意識を変え、業務に貢献する自律型の強い組織のつくり方」(公益財団法人 東京都中小企業振興公社)

図2.アイエスエイプランの組織構成(2018年11月セミナー資料より)

この図を書く際になんだか実運用と異なるような指示系統だけれども「組織図とは樹形図のように書くもの」という刷り込みのような教科書知識をもとにしていたためはじめて社内にて書き表された組織が3階層によるものになったのだと思います。

ロードマップの再構築をするうえで気付いたこと

今年度の社内キックオフにもありましたが2021年度は「これからの5年先のアイエスエイプランを考える」という企画を執行役員会にてはじめ、新しい5年先の目標の策定と目標達成のためのロードマップを考えるということを取り組みはじめました。

図3.アイエスエイプランのFY2021 キックオフ資料より「これからのISAPlan」

この企画のなかでアイエスエイプランの組織体制を改めて考え直すためにMBAの教科書『グロービス MBA組織と人材マネジメント』(※2)から考え直してみたところボクらは自分たちの組織が「機能別組織」にて動いていると思っていましたが、実際のところは「マトリックス組織」にて動いていることに気付いてしまいました。

(※2)グロービス経営大学院 (2007)『グロービス MBA組織と人材マネジメント』(ダイヤモンド社)

マトリックス組織だからできること

図4.アイエスエイプラン会議用資料「組織構造のAsIs/ToBe」

自分たちの組織の分類がハッキリとすると組織形態のメリット・デメリットを気軽に認識することができ、メリット・デメリットを考慮したうえでの業務フローに対応しやすくなることができるようになります。

 マトリックス組織のメリット・デメリット例
  □関連した事業であれば少ない資源を活用できる
  □スピード感のある事業展開が行えるので不確実性の高い市場でも対応できる
  □ワンマンツーボスになるので部門間のコンフリクトが発生しやすい

上記の例のように、「マトリックス組織」であれば、まだ社員数100人程度という少ない人的資源を効率利用して大きなリターンをねらうことやVUCAの時代と言われた「先行きが不透明で、将来の予測が困難な状態」においての強い組織力を発揮することができるようになります。

その一方で、ひとりの社員に対してPLやFLのように別領域のリーダーが存在することによりそれぞれの意見からのコンフリクト(衝突)やエスカレーションフローの複雑化などが発生することもあります。しかし、どんな組織形態にもメリット・デメリットは存在するもので組織目標のためのデメリットがリスクヘッジできるようになるために自己の組織がどのようなものかを理解しておくことそのものが重要なだと思っています。

現状の正しい姿が見えるようになったため、こちらを利用して、また次の3年のアイエスエイプランを考えるタスクを行っていきます。