業務体験談を設計する

  • 2021.11.15
  • ebisawa

こんにちは、海老澤です。

最近になってオフィスに出社する人の割合が少し増えてきましたね。
普段業務ではほとんど関わることがない人同士でも、同じ空間で仕事することで意図せず対話が生まれたりするのがリモートワーク環境との違いの一つですね。

以前定例会ではみんなでリモートワークの特性について考えるというエクササイズを実施しました。「通勤がなくて楽ちん」以外の要素がたくさんあること、特にリーダー層が感じる苦労がたくさんあることを学べたと思います。

2020年度1月定例会エクササイズ『リモートワークを考える』

この時はマネジメントなど「仕事における影響」の話がメインでした。今度は『コミュニケーション』に焦点を当てて考えてみましょう。

リモートでのコミュニケーション

というかコミュニケーションってそもそもなんぞや?
なので分かりやすいものから整理しましょう。

まずは報連相。
実はリモートワーク中の「報連相」で困ることはあんまりないんじゃないかと思っています。報連相は「業務目的のある対話」。これを業務中に行うことは「業務に関係のない話」をするのに比べてハードルは低いですよね。リモートだろうが必要な報連相を行うことに障害は無いかと。
それに、報連相はそもそも同じ職場にいてもチャットやメールを使うケースがあると思います。それは「口頭での報連相」よりもチャットの方が相手の時間を拘束しないことや、文書でログが残ることなどが理由としてあげられます。職場にいてもリモートと同じ手法を使うことがあるくらいなのでそんなに差がないのかもしれませんね。

次に報連相以外、となるとどんなコミュニケーションがあるんでしょう?
もはやそれって「雑談」なんじゃ、と思いますが雑談にも「業務に関係する雑談」とそうではない「プライベートな雑談」がありそうですね。
業務の雑談ってなんぞや?
例えば職場学習論(※1)にある「業務経験談」という言葉。
これはすごく単純に説明すると、他者の仕事の「成功体験」と「失敗経験」を聞くことに学習効果があるという話です。

(※1)立教大学経営学部教授 中原淳『職場学習論』(東京大学出版会)

まぁ確かに言われてみりゃそうだな、と思いますが、リモートワーク中にいきなり周囲に自分の成功体験を話すことにはとても抵抗感がありそうですね。普段意図せず話すようなことをリモートで伝えることはかなりハードルが上がりそうです。
じゃあどうしましょう。

無意図的なコミュニケーションを設計する

仕組みにしてしまう方法。
例えば夕会は基本的にメンバー1人1人の進捗状況を報告すると思いますが
その会議の最後には誰か一人がその日の仕事の成功体験を話す、という枠を設けてしまうとか。

「このツールを使ってみたら上手くいきました!」
「○○さんの言う通りにやったら前回よりも早くできました!」
「不具合の原因を自分で解析できました!」
「今日〇〇会議で自分の提案が通りました!」

まず話す側は自己承認の機会になります。
聞く側としてもイイ話は聞いてて気持ちが良いし、どうして上手くいったのかを質問したくなりますね。そして、そんな対話の過程で成功体験が組織内で共有され、個人の新たな『学び』に繋がったりするものです。